埼玉県戸田市の産業
埼玉県戸田市は、東京都に隣接した産業と暮らしのオアシスです。
ここでは埼玉県戸田市の産業について五つの視点からご紹介します。
戸田市の概要
戸田市は、豊かな荒川の流れに抱かれるような形で埼玉県の南東部に位置し、東は川口市、北はさいたま市と蕨市、荒川を挟んで西は和光市・朝霞市、同じく荒川を挟んで南は東京都板橋区に接しています。

江戸時代には五街道の一つ「中山道」の要衝「戸田の渡し」が置かれ、舟運などで栄えました。現在も、鉄道交通や道路交通が整備され、高い交通利便性を誇っています。
また、市内には、昭和39年(1964年)東京オリンピックのボート競技会場「戸田ボートコース」や、荒川の自然を生かした広大な公園「彩湖・道満グリーンパーク」があり、水や緑を身近に感じることができる環境となっています。
そうした交通環境と自然環境の良さから、市内には印刷関連産業や食品産業を中心とした製造業や、倉庫や配送センターなど物流加工業を中心として、多くの産業が集積し活発に事業活動をするとともに、働き盛りの子育て世代や都心部へ通勤する人たちを中心に、人口や労働力も安定的に増加しており、活力あるまちとして順調に発展しています。
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産業の特徴
市内の工業系事業所の大きな柱が印刷製本関連産業で、板橋区と埼玉県南部地域で形成する印刷業の一大集積地の中心に位置しています。また、もう一つの柱が食料品製造業で、次いで、一般機械の製造、金属製品やプラスチック製品製造などの業種の割合が高くなっています。また、グラフには表れませんが、倉庫や配送センターなどの物流加工業も、市内の至るところで見かけることができます。

いずれも、東京に近接して交通網が発達していることから、消費者や取引業者との距離的・時間的な近さを最大限に生かし、市周辺エリアの多種多様な企業が連携しあうことで、活発に事業活動を行っています。
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産業の歴史
江戸時代、交通の要衝「戸田の渡し」があり多くの人が行き交ったとはいえ、蕨宿や板橋宿の中間地点として人が滞在する場所ではなかったことから、戸田地域の商業的発展はいまひとつで、主要産業としては農業でした。その後、近代において川口地域の鋳物産業の関連産業として金属加工業が盛んになり、また、東京オリンピックの頃には都内への物流拠点として倉庫業などが発達しました。そして、東京都内にあった産業が徐々に移ってきて、消費地東京に対して「情報や商品の鮮度」が求められる印刷関連産業や食料品製造産業、物流加工産業が集積するようになり、現在に至っています。
同時に、高度経済成長期に市東部を中心に人口が増え、また、埼京線開通以後はベッドタウンとしての側面が強まり、昭和60年以後、人口は1.5倍に延びました。
順調に発展してきた戸田市の産業ですが、土地利用が一巡するなか、大規模な工場等が進出できる土地はなくなり、また、住宅も増える中で、住工が共存する新しい「産業のまち」を目指して取り組んでいます。
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産業拠点としての戸田市の魅力
立地性
東京都とさいたま市の中間に位置し、戸田市を基点とした半径20キロ圏内に、首都圏の大半のエリアが含まれます。消費者や取引先との物理的・時間的距離、従業員の通勤や居住などに有利な立地です。また、若い世代を中心に人口も増えており、産業力の基礎である社員やパートといった人の労働力も豊富です。
道路網
市内に乗り入れている東京外環自動車道から、東北・関越・常磐自動車道に直結。同じく市内に乗り入れている首都高速から東名・中央・京葉・東関東自動車道に直結しています。また、市内を縦断する主要幹線国道17号(本線とバイパス)により、都心部や埼玉県北部へのアクセスも容易です。さらに、市内全域が平坦な地形で、道路舗装もほぼ整備されており、すべての人・事業者にとって移動や運搬が便利です。民営の路線バスや公営のコミュニティバスも、駅を経由して縦横に運行しています。
鉄道網
市内に乗り入れている埼京線3駅から、東京駅や新宿駅まで30分前後、北の玄関口大宮駅まで20分。市内地域によっては京浜東北線や都営三田線も利用可能です。また、埼京線の戸田駅と北戸田駅においては土地区画整理事業に伴って駅前整備が進んでおり、更なる利便性の向上が期待されます。
コスト
近隣の東京都やさいたま市と比べ、地価が安くなっています。また、税金についても、都市計画税率が制限税率である0.3%を下回る0.2%であることに加え、人口規模が14万人のため事業所税がかからないなど、事業者にとってコスト面でのメリットがあります。
サポート
中小企業振興条例に基づく会議にて、経営者の委員を中心に産業活性化を常に研究しています。また、新規の工場立地や設備投資に対する補助制度や、新技術の開発やISO等の認証取得、展示会への出展に対する補助制度があります。あわせて、情報発信により工業への市民理解の醸成を図り、住工共存のまちづくりの実現や、事業環境の向上に努めています。
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戸田市の様々な工業支援
産業立地推進事業補助制度
市内の工業地域等において、工場等を新たに立地したり、機械設備を新たに導入したり、新たな立地等に際して市内在住の従業員を一定期間以上雇用した場合に、補助を行います。
(1)工業地域等に工場等(事業の用に供する施設。補助対象となるには床面積規模等の諸条件あり。以下「工場等」という。)を立地し自ら事業を行う者
対象事業 | 工場等の新設及び増設 |
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補助金額 | 工場等の立地に係る建物及び土地(補助対象となる建物以外に、既に工場等が立地されている土地を除く。)の固定資産税及び都市計画税の課税相当額の2分の1の額(1申請につき上限300万円) |
対象期間 | 3年間 |
(2)工場等主と工場等の賃借契約を工業地域等で新たに締結し自ら事業を行う者で、工場等主と借主(法人にあってはその代表者)が配偶者及び3親等以内でないもの
対象事業 | 工場等の賃借 |
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補助金額 | 工場等の立地に係る建物及び土地(補助対象となる建物以外に、既に工場等が立地されている土地を除く。)の賃料の2分の1の額(月額10万円以内。1申請につき上限120万円) |
対象期間 | 2年間 |
(3)工業地域等で事業を営む者で、新たに事業に供する設備を自ら導入したもの
対象事業 | 設備投資 |
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補助金額 | 工場等に新たに取得額1,000万円以上の設備を導入したときに課せられる固定資産税の課税相当額の2分の1の額(1申請につき上限50万円) |
対象期間 | 3年間 |
(4)上記(1)~(3)の補助対象事業を実施した者で、新規に従業員(既に補助の交付を受けたことがある従業員を除く)を雇用したもの
対象事業 | 雇用促進 |
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補助金額 | 従業員のうち、1年以上戸田市に住所を有する正社員1人につき30万円。ただし、補助対象となる従業員は、新設等に係る補助対象期間中に雇用期間が1年を経過する者に限る。 |
対象期間 | 1年間 |
工業環境対策支援事業
環境に配慮した操業を行うための設備(地方税法に規定する公共の危害防止のために設置された施設又は設備。)を導入したとき、当該設備にかかる固定資産税に相当する額を3年間補助します。
補助対象者 | 令和6年1月2日~令和7年1月1日に、環境に配慮した設備を市内事業所に導入・設置・稼働した事業者で、市税等に未納がない方 |
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補助対象経費 | 導入設置した設備に対する固定資産税相当額 |
補助率 | 課税初年度から3年間(上限100万円) |
ISO等取得支援事業
市内事業所が、ISO等(9000シリーズ、14001、22000、27001、39001及びFSSC22000)、エコアクション21又はプライバシーマークの認証を新規に取得し、登録をする事業を補助します。
補助対象者 |
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補助対象経費 |
※戸田市以外の事業所と同時に複数の事業所において、規格の認証を取得する場合は、従業員の人数で按分します。 |
補助率 | 補助対象経費の1/3(上限50万円) |
展示会等出展支援事業
国内外の展示会又は見本市(B to B向け)に出展し、自社製品・技術を積極的に外部へ発信することを支援します。
補助対象者 |
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補助対象経費 |
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補助率 | 補助対象経費の1/2(上限20万円) |
新技術研究開発支援事業
市内事業者が、新製品や新技術の開発・改良を行うことを支援します。
補助対象者 |
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補助対象経費 | 原材料、外注加工費、改造・移設費、機材購入費、機械等の賃借料、事務経費、調査委託費、宣伝費、旅費、研究対価の人件費等 |
補助率 | 補助対象経費の1/3 (1)国内外において従来にはない新規性のある製品又は技術(上限200万円) (2)既存製品又は技術の改良(上限50万円) |
企業立地マッチング促進事業
戸田市に、新たに立地又は市内移転を希望する企業の事業用物件探しをサポートするため、市と協定を結んでいる埼玉県宅地建物取引業協会南彩支部と連携を図り、企業のニーズに合った事業用物件情報を提供する事業です。
詳細は戸田市の「工業支援(補助制度)」のページでご覧下さい。
戸田市工業見える化マップ > 埼玉県戸田市の産業